北海道航空宇宙産業基地構想

構想の主旨及びこれまでの取組みの状況並びに成果

 北海道航空宇宙産業基地構想は、国の宇宙開発の基本的方向に沿って、北海道のもつ広大な土地や豊富な水などを活用し、わが国独目の有人宇宙活動のための大型ロケットやスペースシャトル、スペースプレーンなどに対応する機能を有するフライトセンターを核にして、試験研究施設や関連産業などの集積を図り、航空宇宙産業基地の形成を目指すものとして、昭和63年に策定された「北海道新長期総合計画」の15の戦略プロジェクトのひとつに位置付けられたものである。

 道は、この構想を推進するため、平成3年7月に「北海道航空宇宙産業基地構想推進のための基本 的指針」を定め、産官学で組織された「北海道航空宇宙産業基地研究会議」や道内理工系大学の研究者・技術者で組織された「北海道宇宙工学懇談会」等と連携し、航空宇宙関連施設などの誘致活動を進めるとともに、関係機関、企業の協力・支援を得てシンポジウム、講演会の開催、宇宙体験教室な どの普及啓発活動に取り組んできたところである。これまでのところ、フライトセンターを核とした航空宇宙産業の集積までには至っていないが、大樹町及び苫小牧東部地域における航空宇宙関連実験や道内二大学(北海道大学、室蘭工業大学)における航空宇宙関連講座の開設、宇宙関連研究者の裾野の広がりなど一定の前進が見られるところであり、この間の成果として、次のようなことを挙げることができる。

○科学技術庁航空宇宙技術研究所は、大樹町多目的航空公園においてドルニエ実験用航空機を使用した、宇宙往還機航法誘導制御技術等に関する飛行実験を平成9年から5年間行うための協定を大樹町との間で取り交わした。今後、大樹町の当該施設は、宇宙往還機関連の開発研究等に係る本格的な実験用飛行基地として利用されることとなった。

○宇宙開発事業団が、平成3年9月から苫小牧東部地域においてロケットモーター破壊実験などを行い、この実験で得られたデータは、現在開発中のH−UAロケットの指令破壊方法の検討や打ち上げ時の保安距離の設定に活用されている。

○旧炭鉱跡を利用し、新素材・エレクトロニクス材科・バイオテクノロジーなど創造的研究開発のための基礎的実験や宇宙開発の予備実験などを目的とした世界的規模の地下無重力実験センターが平成3年上砂川町に設置され、これまで約3,000回の落下実験が内外の研究者の手によって行われ、無重力環境を利用したさまざまな分野での実験や研究により、新素材や医薬品の開発など新技術・新産業の創出につながる先端的な宇宙技術の研究開発の場として、活用されている。

○航空宇宙関連の研究者・技術者が道内理工系大学においてかなりの数を数えるに至るとともに、「北海道宇宙工学懇談会」として組織化され、活発な活動が行われており、今後、これらの研究者・技術者による新たな技術開発が期待される。また、平成8年5月には、北海道大学大学院及び室蘭工業大学に航空宇宙関連講座が開設され航空宇宙に関する人材の育成も緒についたところである。

○各種イベントヘの参加・出展、国際シンポジウムや各種講演会・学会等の開催、日本宇宙少年団(YAC)の活動を通じて、航空宇宙に関する理解を得るための普及啓発活動を展開してきたことにより、道民の宇宙への関心が高まりつつある。

○航空宇宙関連施設及び試験・研究の誘致に向け、北海道航空宇宙産業基地研究会議や室蘭、苫小牧、十勝地域において結成された推進組織の活動が定着してきている。


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